この記事はFedibird Advent Calendar 2019 - Adventarの2日目の記事です。
みなさん、マストドン(Mastodon)を知っていますか?知っていますよね?知らないとは言わせませんよ?まあ、Twitterやっている人なら「なんか聞いたことあるけどまだ続いているのか」という印象かもしれません。
で、マストドンはサービスでありソフトですので、自分でサービスを提供したい人が自由にソフトを入手してサービスを提供できます。そのようにしてサービスを提供しているところを分散SNS(これも聞き慣れない人には耳馴染みないかもしれません)界隈では「サーバ」とこの頃呼んでいます。
fedibird.com - Fedibirdは、このSNSサーバのうちのひとつです。のえるさんという人が立ち上げて、色々な機能を追加して利用者に提供しています。
fedibird.com
fedibirdの大きな特徴として「購読」という機能があります。購読、聞き慣れませんね。分散SNS、とくにマストドンでは自分のTL(タイムライン)に見たい人や話題を表示したい場合は、それを語っている人をフォローするということをしなければなりません。Twitterでもフォローしますよね。でも興味のある内容のためにだけわざわざフォローしていたりするとフォローしている人の数がすごい増えて大変なことになります。
fedibirdではこれを「購読」で解決しています。分散SNSというのはサーバとサーバが結びついていれば公開されているつぶやき(マストドンではトゥートですね)が自分の所属するサーバに流れてきますので、これを拾い読みすればいいわけです。その拾い読みを簡単にするのが「購読」です。例えば「キーワード購読」ですと、ある特定のキーワードを登録しておけば、流れてくるトゥートからキーワードに一致したトゥートをすくい上げて自分のTLに表示してくれるわけです。
さて、ここまでざっくりと「購読」について書きましたが、ではドメイン購読とはなにかというお話をしたいと思います。発端は私のこの発言からです。
それに対してのえるさんが反応してくれました。
で、できたのがドメイン購読というわけです。
なんでドメイン購読なんて考えたのかというと、実はその時に自分が運営しているサーバに入ってくる別のサーバのトゥートが遅延していまして、すごい読みづらかったんですね。で、自分とこのサーバではそのサーバのトゥートを一時的に受け付けないようにしてしまいました。そうすると面白かったトゥートが読めなくなるんですよ。「読めなくなる、でも読みづらいのはいやだな」と思っていたときにfedibirdの「購読」機能が眼につきまして、この「購読」機能に「サーバ単位での購読」機能がつけば、読めるんじゃないかと考えたわけです。
まあ、発端はそんな感じなのですが、のえるさんが実装してくれまして、「ドメイン購読」として機能が提供されたわけです。他の人はどう利用するかなーと思っていましたが、あることをきっかけに活用する人が出てきました。それは「jp騒動」です。
mstdn.jp(通称jp)は分散SNSの中でも超大手サーバなのですが、抱えているユーザ数の多さからなのか運用が大変なことになっているという話が流れてきていました。そうこうしているうちに、jpが中小サーバとのやりとりをやめるという事態に発展しまして、多くのサーバのユーザがjpのユーザとのやりとりができなくなったわけです。あるサーバのユーザさんは、「jpが今どうなっているか知りたい」ということでfedibirdのアカウントでドメイン購読機能を利用したみたいです。この機能を使えば、fedibirdとjpの間が切れない限りはjpユーザのつぶやきを見ることができるわけですから。
とまあ、最初想定していなかった活用方法により使われ始めた「ドメイン購読」ですが、今は自分のTLだけでなくリスト(分類されたTLという認識でいいのかな?)に設定することができるようになり、リストを切り替えることで複数のサーバを分けて見ることができるようになっています。
そんなわけで、ドメイン購読を提案するに至ったことに関してのざっくりとしたお話を書いてみましたが、fedibirdでこの機能を使ってみたいと思うようになったら幸いです。ユーザ登録は受け付けているはずですので、ぜひ登録して体験してみてください。分散SNSを使ったことがない人はもとより、他のサーバの人も面白い体験ができますよ。